先入観とは

先入観とは、何か新しいことに触れるときに、「ついイメージとして持ってしまう姿」のことをいいます。

例えば、次のような事がらは「先入観にもとづくイメージ」ということができるでしょう。

先入観の具体例


  • ブラジル人ならみんなサッカーがうまいはずだ(実際にはブラジル人でもサッカー嫌いな人は少なからずいます)
  • 看護師さんや保育園の先生は女性のはずだ(男性の看護師さん、男性の保父さんもたくさんいます)
  • 社会をおびやかすような凶悪な事件を起こした犯人は男性のはずだ(実際には女性や子供が事件を起こすケースもあります)

以下では、先入観とはどいういうものなのか?先入観を持たないようにするためにはどうしたらいいのか?といった事がらについて、具体例をあげながら見ていきましょう。

先入観とは何か?意味を簡単にわかりやすく解説!

「日本大百科全書」や「ブリタニカ国際大百科事典」といった本では、先入観という言葉の意味を以下のように解説しています。

なお、先入観のことを、確証バイアスというように呼ぶこともあります。

辞書や百科事典での「先入観」の説明


  • 特定の物事や人物などについて、あらかじめ接していた情報や知識が作用することで固定的な評価を下してしまう見方(日本大百科全書)
  • 実際の体験に先立って、ある特定の対象に対してもつ主観的価値判断(ブリタニカ国際大百科事典)

なんだか難しい言葉で説明していますが、簡単にいえば「自分で勝手に思い込んでいること」ということですね。

(主観的価値判断とは、簡単に言えば「自分で勝手に考えていること」という意味です)

こうした辞書から見ると、先入観とは「思い込みにより作られた考え」ということになり、あまり良いことのようには感じられません。

しかし、先入観は決して悪い働きだけを持つわけではないことも理解しておきましょう。

例えば、「ポジティブバイアス」という言葉で良い先入観として受け入れられることもあるのです。

先入観という言葉の使い方の例

先入観とはどういうものなのか、それを知るための具体例をいくつか挙げてみます。

先入観の具体例


  • 日本人は几帳面
  • 犬はペットとして飼うもの
  • ゲームをするのは子供だけ

几帳面ではない日本人は山ほどいますし、50歳・60歳になっても楽しんでゲームをする人だってたくさんいます。

いずれも全ての人、物に当てはまることではないのは明らかですが、私たちはこうしたイメージを持っていますよね。

犬を食料として食べる国もありますし、軍隊や警察で活躍する犬はペットとはいいがたいでしょう。

先入観による失敗の具体例

このように、どこか自分で勝手に決めてしまった思い込みが、先入観として現れてしまうことがあるのです。

先入観を持っているがゆえに失敗してしまうケースとして、次のようなことを指摘できます。

先入観による失敗の具体例


  • 絵を描くのは難しい
  • 髪を染めている若者は言葉が悪い
  • 自分に帽子は似合わない

これらはいずれも先入観によりチャレンジすることを恐れていたり、自ら離れることを選んでしまったりする失敗例です。

始めてみれば絵を描くのが楽しいかもしれませんし、話してみれば髪色に関係なく良い人だったということもあるでしょう。

先入観から「こういう人はこういう行動をとるに違いない」というレッテルを貼っていると、せっかくの人生を豊かにするチャンスを逃してしまうこともあるのです。

先入観とよく似た言葉の意味の違い

先入観とよく似た言葉の意味の違いを知ると、先入観とは何なのかをより深く理解することができます。

例えば、「偏見」「固定観念」「仮説」といった言葉は先入観とよく似ています。

一見すると言い方が違うだけのように見えますが、実はそれぞれではっきりとした違いがあるのです。

それぞれの類語との意味の違いを見ていきましょう。

①先入観と偏見の違いは?

偏見とは悪い意味での先入観といえます。

ネガティブなイメージを植え付けられてしまっているがゆえに出てきてしまうもので、人を外見で判断したり、苦手だからと離れてしまうことがこれに当たります。

②先入観と固定観念の違いは?

固定観念とは、良くも悪くも先入観とおおよそ同じ意味の言葉です。

ただし、先入観は後から情報を加えることで考えを修正できる反面、固定観念はなかなか修正が効かない凝り固まった考えになってしまいます。

本人の意志の強さや頑固さが影響し、それが間違っていると分かっても修正するのが難しい。

自分自身を信じすぎて真実を受け入れるのが難しくなってしまうのです。

③先入観と仮説の違いは?

仮説とは物事の説明、また実証するために立てる作業のことをいいます。

あくまでもその瞬間の物事に対して作るものになるので、作業が終わった時点で無くすことができます。

しかし先入観はその作業を行う前から、また行った後も依然として持ち続けている考えです。

過程の1つとして作る瞬間的にある仮説とは違い、常に自分の中に描かれているのが先入観となります。

先入観を捨てる具体的な方法

先入観を捨てる、または変えることができればそれまでと違った考えで少し未来が明るくなる、そんな気はしませんか?

あなたが知らず知らずのうちに持っている先入観を変えることで、世の中を違った視点で見られるようになります。

そのために必要なことはさまざまなことに「疑いの目」を向けることです。

以下では、先入観を捨てるための具体的な方法や考え方を紹介しましょう。

①どんなことも一度は疑ってみる:デカルトの主張

例えば上の具体例で紹介した「日本人は几帳面」「髪色でのその人の判断」は疑うことは非常に簡単。

几帳面な人ばかりではない、話してみれば分かる、と自分の先入観に疑いを持つことでこうした考えが修正されます。

こうした疑いの目を向け真実に向き合うことを説いたのが、フランスの哲学者デカルトによる「デカルトの主張」です。

「我思う、ゆえに我あり」という言葉と共に、それまで常識とされていたキリスト教の教えに疑問を抱き、先入観を取り払うことで真実を探し出しました。

同じようにイギリスの哲学者フランシス・ベーコンも「イドラ」という言葉で先入観を説いており、観察と実験によって真実を引き出すこと、そしてその過程で先入観が現れてしまうことを伝えています。

②様々な知識を取り入れる:先入観を捨てるためにおすすめの本

先入観を無くすにはやはり豊富に知識を取り入れることが必要です。

それも上辺だけではなく、なるべく奥深くまで。

最初は些細な疑問も、「何故そうなるのか」という疑問を持ち合わせることで徐々に枝分かれし、それぞれの物事の奥深くまで探ることができるようになります。

それでも豊富な知識や経験などによって先入観が出来上がってしまうのはもはやどうしようもないことです。

そこで知識を取り入れながら、先入観を捨てるための本を手に取ることをおすすめします。

今ではこうした書籍は多数ありますが、ただ「疑いなさい」だけではなく、「何故先入観が生まれてしまうのか」「先入観が生まれる原因」「日本や世界の情報社会」に踏み込んだ書籍を手に取ってみてください。

ここで1冊おすすめしたいのが武田邦彦さんによる「先入観はウソをつく」です。

物事の見方や度々問題になる日本のマスコミにまで突っ込んで先入観とは何なのか、どのようにして取り払うのかを解説しています。

まとめ

悪い意味で捉えられることも多い先入観ですが、初めから存在を無しにして生きていくことが難しいのが事実。

どうしても生まれてしまう、それならば上手く付き合っていけばいいのです。

先入観は悪いこと、という考えこそ悪い先入観にもなり得ます。

上手に理解し、知識を深めることで自ずと真実へと辿りつく、そのためにはまずは小さな事にでも疑問を持ってみてください。

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